HPVワクチン「キャッチアップ接種」は2025年3月までです

HPV (ヒトパピローマウイルス) とは

 HPV(ヒトパピローマウイルス)感染は、女性の子宮頸がんの大きな原因であることが分かっています。また、男性も無関係ではなく、中咽頭がん・肛門がん・陰茎がんの原因となります。

HPVの感染と発がん

 HPVは性交で感染し、免疫力で体からウイルスを排除しても、その後も感染を繰り返します。そして、ウイルスが体から排除できないと、10年程度で子宮頸がんが発生します。このため、ワクチンによるウイルス感染予防が大事であることがわかっています。

 子宮頸がんは早期であれば部分切除で治癒する可能性もありますが、発見が遅れると子宮の全摘出が必要となったり、命を落としたりする恐ろしい病気です。また、20代~40代と比較的若い子育て世代で頻繁に発症することから、「マザーキラー(Mother killer)」と呼ばれています。

ワクチンと子宮頸がん検診

 ワクチンで感染を防ぎ、また、万が一感染から発がんに至る場合を考えて、定期的にがん検診を受けることが重要です。どちらが欠けても子宮頸がんの予防には不充分です。

これまでのHPVワクチン接種の経緯

 日本では、2010年にワクチンの公費助成が開始されましたが、接種後に痛み・脱力・倦怠感等のいわゆる「多様な症状」が起こることが繰り返し報道され、2013年から接種の勧奨を差し控えることになりました。

 しかし、大規模な調査で、これらの「多様な症状」はワクチンの接種者と非接種者の間で発生率に差がなく、ワクチンとは因果関係がないことがわかりました。また、海外でもワクチンの安全性・有効性に関する研究が積み重ねられ、2021年に接種の勧奨が再開されることになりました。

キャッチアップ接種とは

 HPVワクチンの公費接種の年齢は小学校6年生~高校1年生となっています。

 接種の勧奨が控えられていた平成9年度~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性には、公平な接種機会を確保する観点から、あらためて公費接種の機会が設けられました。これがキャッチアップ接種です。

 キャッチアップ接種の対象年齢の方は、無料で2回または3回のHPVワクチン接種を受けることができますが、期間が2025年3月までのため、接種を完了させるためには、初回接種を2024年9月までに行う必要があります。

参考資料

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~(厚生労働省)

予防しよう!子宮頸がん!(厚生労働省)

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